今回は大学進学についてお話します。
通信制高校からでも大学進学はできるかという質問ですが、もちろん可能です。ただし、決してラクではなく、難易度が高い大学への進学は非常に難しいという現実をお伝えしなければなりません。
その理由は、勉強の「時間数」です。
あまり考えることはないですが、全日制高校での年間出席日数はざっと200日程度です。
1日5時間、授業を受けたすると、年間1000時間の授業を受けることになります。
1000時間ですよ!これって自分だけで勉強するには、なかなかハードルの高い数字じゃないでしょうか。
もちろん、1000時間の中には、受験に使わない科目もあります。また、学校の授業より先に進んでいる生徒にとっては、授業が退屈に感じてしまうこともあるかもしれません。
ただ、全日制高校で毎日強制的に授業に参加することで、意思の力を使うことなく、学習濃度の濃淡こそあれ、なんだかんだ年間1000時間近く学習することで、最低限の基礎はできてきます。このあたりは、学力が低め~中堅の生徒についてはけっこう大きいです。
中学校のときから自分で勉強をする習慣がついている、自分で興味がある科目については夢中で勉強を進めることができる、こういう子供にとっては通信制高校でも学力を伸ばしていける可能性は多いにあります。しかし、これまでずっと勉強が苦手だった子が、通信制高校に入って勉強が得意になる、というケースは正直とても少ないです。
通信制高校の学費は、学校にもよりますが、週に何回登校するかによって変わってくることが多いです。登校無しのオンラインのみなら50万、週1なら60万、週5なら120万といった感じです。じゃあ週5回通うなら全日制高校と変わらないんじゃ、という疑問もあるでしょうし、そのあたりは授業のシステムも違うので一概に言えませんが、通信制高校で勉強の時間数を確保するというのは生徒にとっても保護者にとっては学費の面でもなかなか大変なのです。
通信制高校では学力は伸ばせないのか?
もちろん、通信制高校のメリットもあります。これは進学校である全日制高校によくあるパターンですが、学校の進学率を伸ばしたい都合で、文系なのに延々と難易度の高い理系科目の課題をやらされるということがあります。これは生徒にとっては本当に苦痛ですし、無駄が多くなります。
通信制高校では、単位を取得するための課題をこなしてしまえば、あとは自分の受験勉強にフルベットできます!すべての時間を受験から逆算して必要な勉強にあてることができるのです!
通信制高校で単位を取得するために必要な1年間課題の量というのは、進学校の冬休みの宿題にも及ばない程度の量です。計画的・自発的に学習を進められる生徒にとっては、あっという間に終わらせることができます。
最も難しいのは、モチベーションの維持
全日制高校の進学校などでは、周りの生徒も大学進学を目指して勉強している子が多いため、自然と大学に関する情報も友人同士で共有したり、テストや模試によってモチベーションを維持しやすいです。
一方で通信制高校では、勉強のノルマもなければ必ず参加しなければいけない授業もない、何もかも自由であり生徒次第なのです。
大人でも、リモートワークだとついつい怠けてしまうという人は少なくないと思います。ましてやまだ精神的に安定していない子供が全日制高校の生徒が受ける授業の時間数、毎日5~6時間を自習できるかというと、これは至難の業です。
通信制高校ではあくまで高校卒業資格を取るための場所で、勉強については塾に通う、という選択肢もあります。ただやはり、お金がかかりますね。
いかに意思の力を使わずに勉強する習慣をつけるか?
大人・子供に限らず、目標を達成するにはこれに尽きます。
これまで私が担当していた生徒でも、勉強時間を確保するのが上手い生徒ほど、結果を出していました。
たとえば、通信制高校のサポート校の多くでは、開校時間は自由に学習ができるようになっています。
四国の国立大学に合格した女の子Aさんは、高2までアルバイト三昧でしたが、高3の春に突然大学進学を志します。母子家庭で家計が苦しいことからアルバイトを続けていましたが、朝は決まった時間に自習室に来て午後まで勉強。夕方からアルバイトという生活を続けていました。学校での勉強が行き詰ったときは図書館にいったり、マンガ喫茶の安い時間帯を狙ってマンガで気晴らしをしながら勉強をするという技も生み出していました。
また、先生を頼るのも上手かったです。生徒にどの程度教材のプリントをあげてよいかという決まりはなかったので、そこを突いてネット上にアップされている模試のプリントを無料で何度も解いていました。このあたりは先生たちも応援してあげたくなり、経費のコスパ無視で一日何十枚とプリントを上げていたように思います。笑
結果彼女は地方の教育学部に合格、晴れて大学生になりました。
まとめ
Aさんは上手くいった例ですが、実際には大学を受験するといっても全然勉強に身が入らず、なんとなくほとんど勉強しなくても入れる偏差値35~40の大学に入る、というパターンが多いです。
もちろん偏差値の高低だけで大学の良さは測るものではありませんが、自分の目指す大学に入るためには、やはり生徒が上手く勉強時間を確保する習慣ができている、そして保護者は勉強を押し付けるのではなく、子供の自主性を最大限バックアップする、これができている家庭は通信制高校からの大学進学も上手くいくと思います。
